ゴスペル音楽 と聞くと、アメリカのアフリカンアメリカン(黒人)教会などで大勢の人が手拍子をしながら歌っているというイメージがあります。

ところで、一体ゴスペル音楽と他の音楽とでは何が違うのでしょうか?

今回はゴスペル音楽の3つの特徴を挙げてみました。

1. コール&レスポンス

ゴスペル音楽の1つ目の特徴として、「Call & Response(コール&レスポンス)」というものがあります。Callとは呼びかけ、Responseとは応答という意味です。

有名なゴスペル曲“Oh, Happy Day!”を例えにみてみましょう。この曲の最初は、ソロの人(リードと呼びます)が”Oh, happy day〜”と歌い始めます。するとそのコール=呼びかけにレスポンス=応答するようにゴスペルクワイア(聖歌隊)が、”Oh, happy day〜”と続いて歌います。

このように1人が歌った言葉に応答して歌うスタイルを、コール&レスポンスと言います。

またアフリカンアメリカンの教会では、牧師が話(説教)をしている途中で感極まり歌い出すことがあります。その歌にレスポンスするように、クワイアが即興でハーモニーをつけて歌う場合もあるのです。

(例)

牧師: “Oh Lord!(ああ主よ!)”

クワイア: “Oh Lord!”

牧師: “I will praise Your name! (あなたの御名をたたえます!)”

クワイア: “I will praise Your name! “

余談ですが、コンサートなどでアーティストが「Say Yeah!!」とコールした後、観客が「Yeah!!」というシーンが時々あります。これはゴスペルから来ているそうです。

2. 構成が決まっていない

ゴスペル音楽の2つ目の特徴としては、曲の「構成が決まっていない」ことです。通常私たちが聴いているポップスなどの音楽は、構成が決まっています。例えば、「1番→サビ→2番→サビ→ブリッジ→サビ」そして曲が終わります。

ところが、ゴスペルの場合、ある程度の構成は決まっているものの、毎回同じ構成で演奏されるとは限らないのです。

なぜ構成が決まってないのでしょうか?

その理由は、気持ちの溢れるままに演奏しているからと言うことができます。

例えば、「1番→サビ→2番→サビ→ブリッジ→サビ」というゴスペル曲があるとします。リードを歌っている人が最後のサビを終えてもなお、もう一度1番を歌いたくなったら合図をして1番に戻りますし、サビを繰り返したくなったら、最後のサビをもう一度繰り返します。さらに、最後のサビの後、気持ちの高まりから転調してキー(曲の調)が上がることもあるのです。

これをゴスペルの世界では、賛美が溢れるとか、Holy Spirit(聖霊)の働きで賛美が終わらないなどと言います。神さまへの賛美が溢れてくる時、それを止めることなく歌い続ける。それは感情的になって理性を失っているわけではありません。知情意共に神への賛美を捧げていくのです。そう考えればゴスペル曲の構成が、その場その場で変わっていくのは、当然なのかもしれません。

3. 1人でも100人でもゴスペル

ゴスペルの最後の特徴は、歌い手が「1人でも100人でもゴスペル」と呼ぶ、ということです。ソロで歌っていてもそれはゴスペル音楽です。3人や5人くらいのグループがアカペラ(無伴奏)で歌っていても、100人くらいのクワイアで歌っていても、やはりゴスペルです。

では何をもってゴスペルと言うのでしょうか?

それは歌詞が、神を賛美しているか、あるいは聖書のストーリーを背景に歌っているかどうかがキーポイントとなります。



いかがでしたでしょうか。

ゴスペル音楽の3つの特徴をご紹介しました。

私たち、人の芸術性が自由で豊かなように、ゴスペル音楽も神への賛美が溢れるまま創り上げられる魅力的な音楽なのですね。

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Post Author: ARTOS事務局

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