ゴスペルの多くは、元気でリズミカルな音楽です。映画『天使にラブソングを2』の”Oh Happy Day”などはその一例です。しかし、美しい旋律で、静かな曲もたくさんあります。
今日はゴスペルソングの中で、ぐっすり眠れる3曲をご紹介します。
ぐっすり眠れる曲vol.1
“He’s Concerned” by Ce Ce Winans
1曲目は、Ce Ce Winans(シー・シー・ワイナンズ)という女性シンガーの曲”He’s Concerned(ヒーズ・コンサーンドゥ)”です。シー・シーは、グラミー賞を受賞する実力派ボーカリストです。力強い声の中には彼女の優しさが感じられ、聴いていると心が安らかになります。曲名の”He’s Concerned”は、「彼はあなたを気にかけている」という意味です。もちろんゴスペルなので、Heは彼氏ではなく、神さまです。
「神さまは、あなたのことを気にかけておられるの。あなたの全てを知っているし、あなたの涙も見ておられるの」
そう優しく語りかけるシー・シーの歌声は、一日の終わりに優しい気持ちになれます。
ぐっすり眠れる曲vol.2
“Promise” by Andrae Crouch
2曲目は、Andrae Crouch(アンドレ・クラウチ)という男性アーティストの曲”Promise(プロミス)”です。アンドレは、「現代ゴスペル音楽の父」とも呼ばれ、現代風(コンテンポラリー)ゴスペル曲を作り広めていきました。また彼の音楽は、アフリカン・アメリカンだけでなく、白人のクリスチャンたちにも広く受け入れられ、ゴスペルによって人種差別を打ち砕いたとも言うことができます。タイトルの”Promise”の通りこの曲は、神さまの約束を歌っています。あなたを決して見捨てない、あなたを決して見放さない。それが神さまの約束。シンプルなその歌詞は、一人静まった時にジワッと心に染み込みます。
ぐっすり眠れる曲vol.3
“Dedication to Mom: I’d Rather Have Jesus” by Richard Smallwood
3曲目は、ピアノだけのゴスペルを紹介します。”Total Praise(トータル・プレイズ)”という曲を作ったことで有名なRichard Smallwood(リチャード・スモールウッド)。彼の楽曲は、クラッシックとゴスペルを融合したようなサウンドが特徴です。今回紹介する”I’d Rather Have Jesus(アイドゥ・ラザー・ハヴ・ジーザス)”という曲は、リチャードが2007年にリリースしたアルバム『Journey: Live In New York(ジャーニー:ライブ・イン・ニューヨーク)』に収録されています。この曲は元々讃美歌で、タイトルは「私はむしろイエスを手にする」という意味です。でもこれだけでは、良くわかりません。そこで、讃美歌をしらべたところ、このような歌詞がありました。
I’d rather have Jesus than silver or gold.
銀や金よりもむしろ私はイエスを持つ
讃美歌”I’d Rather Have Jesus”より
人は銀や金などの世の富や、名声を求めて生きる。しかし私は、私を救ってくださったイエスを求めて生きていく。”I’d Rather Have Jesus”は、そういう意味の歌詞です。リチャードは、その歌詞の意味に心を込めてピアノの独奏をしているのでしょう。
もう一つ注目したいのは、リチャードがこのタイトルの前に”Dedication to Mom(デディケーション・トゥ・マム)=母に捧ぐ”と付け加えていることです。リチャードの母は、2005年12月1日に天に召されました。この曲の収録されたアルバムがリリースされる約2年前です。きっとリチャードは、この曲を神さまと、自分の音楽を支えてくれた母に捧げる想いで演奏したのではないでしょうか。
ゴスペルは、歌うだけでなく楽器によっても奏でられる音楽なのですね。
今日はゆっくりと眠れますように。