5オクターブの声を持つと言われるゴスペルシンガーがアメリカにいます。
彼の名は、「Earnest Pugh(アーネスト・ピュー)」。

まさにその声は、神からの贈り物と呼ばれるに等しい素晴らしいものですが、彼の生き様はエンターテイナーではなく、Worshiper=教会での礼拝者です。

そんなアーネストに、曲”God Wants to Heal You (神はあなたを癒そうとされる)”にもふれながらインタビューしてみました。

 

 

 

神からのCalling

NOBU:久しぶりです、アーネスト。

 

Earnest:久しぶりだね、ノブ。以前写真を撮った日以来だね。あれはいつだったっけ? 確かノブは黒いスーツで、私は青いスーツだったと思うけど。

 

NOBU:そうそう。あれはGospel Heritageでのディナーのときだね。

 

Earnest:ああ、そうだったね。

 

NOBU:今日はいくつか質問をさせてください。

ホームページで、これまでの経歴を読ませていただきました。エミー賞(俳優などに贈られる賞)、ステラー賞(ゴスペル界のグラミー賞のようなもの)へのノミネート、レーコードレーベルEPM Musicの設立者、レコーディングアーティストなど様々な働きをなさっています。でもアーネストはそれらの何にもまさって、まことのWorshiper=礼拝者だと私は思っています。

そこで、教会でゴスペルを歌い始めたきっかけを教えていただけますか?

 

Earnest:そうですね。小さい頃から、音楽は本当に身近にありました。なぜなら家族みんなが、音楽や教会(の働き)に没頭していたからです。私にはたくさんの兄弟姉妹がいて、姉妹も10人いたのですが、尊敬するおばあちゃんはその中から僕を呼び出してこう言ったのです。

 

「あなたは主のために特別な子になるわ。神はあなたを世界中に連れていくことになる。神はパウロを用いたようにあなたも用いるのよ。でもあなたはパウロではなく、サウロ王を元気づけたダビデのようになるかもね。」

 

そのときの私は8歳ですから、サウロやパウロやダビデなど知るはずもありません。でもそのときから「Calling=神の召命」について真剣に考えるようになりました。私の声は、エンターテイメントのためではなく、神の人々のために使うべきだと真剣に考えたのです。そこでその日を境に音楽と真剣に向き合い、ゴスペルクワイアにも入りました。しかし神の召命から逃げたのです。なぜならエンターテインメントがしたくなかったのは当然だけど、音楽も自分のしたいことでなく、ちゃんとした仕事が欲しかったからです。

 

“So I ran from my calling.”

だから神の召命から逃げ出したのです。

 

1本のデモテープ

そして軍隊に入りました。

軍隊には20年間いました。でも(callingから)、逃げても逃げきれなかったように思えます。なぜなら結婚式やお葬式など様々な行事で、いつも教会に呼ばれたからです。軍隊にいた20年の間、みんなからよくこう言われました。「なぜデモテープを作らないの?」と。そこでデモテープを作ってみました。それから5-6年経ち、ラジオでそのデモテープが流され始めました。そしてその2年後、”Rain On Us”というC Dをリリースすることになったのです。そのアルバムにはまさに”God Wants to Heal You”が収録されていますね。

そのアルバムはヒットチャートNo.1を記録し、尊敬する祖母が言っていた通り「世界に出ていくこと」となったのです。

 

NOBU:まさに神の計画ですね。ちなみにデモテープには、何の曲を収録したのですか?

 

Earnest:トーマス・ウィトフィールドという方をご存知ですか? 私にとって大好きな作曲家です。数年前に天に召されましたが、まさに「マエストロ」です。彼の曲に、”Wrapped Up, Tied Up, Tangled Up”というクワイアソングがあります。私はソロシンガーですが、クワイア音楽が大好きです。だからこのクラッシックと言えるゴスペルソングを(デモテープに)録音したのです。

 

(デモテープを送ってから)数年後ラジオで曲が流れたとき、みなさんその曲を聞くと思い出して、「ああ! リメイクしたんだ!」という反応をしてくれて。それ以降多くの人が聞いてくれたり、来て歌ってくれないかと電話がかかってきたり。なんだか私にとってはすごく急に空高く吹き飛んだ感じがしました。なぜならそれはただのデモテープだったのですから。

今思うと私にとってこの曲が、本当に力強く扉を開けてくれたように感じます。”Rain On Us”というCDをリリースすることになってから、音楽伝道師の方たちも含めてみなさん、「私が誰なのか」を知る機会となりました。だから私のキャリアはもうまるで(手をぐるぐる回しながら)圧倒されるものだった。

 

EarnestPugh

 

“God Wants to Heal You (神はあなたを癒そうとされる)”の背景

NOBU:なるほど。ここで”God Wants to Heal You”という曲の話に移りたいのですが、その曲を歌うことにした背景があれば教えてください。

 

Earnest:2008年にこの曲はレコーディングしていたのですが、実際2020年までラジオでは流していませんでした。ご存知の通り、我が国はコロナのパンデミックによって想像を絶するような死者が出ました。チャプレンとして働いていた私は疲れ、涙が溢れていました。みなさんとても恐怖に襲われ、怖がっていました。その病気にかかるんじゃないか、他の人々のように死ぬんじゃないか。そこで私は思ったのです。ストーリーを、こういう話の流れを先ず変えなければならないと。

 

第3ヨハネの手紙1章2節にこう書いてあります。

「愛する者よ。あなたのたましいが幸いを得ているように、あなたが全ての点で幸いを得、また健康であるように祈ります。」

 

私が言いたいことは、癒されることというのは、神にとって最優先項目であるということです。神は私たちを癒したいと願っておられる。救い出そうと願っている。自由にしたいと願っている。ですから、これこそ神にとって最優先項目のトップにあり、そうなさるはずなのです。

そこで私たちは会話の内容を変える必要があります。口から出る言葉も変えるべきです。この曲は、ガンをはじめとした様々な病棟に私を導きました。そこで演奏をしながら皆さんにこう言ったのです。

 

“Do you know that God wants to heal you?”

神さまはあなたを癒したいということ、ご存知ですか?

 

もちろん統計学的にどうなのか知りませんし、ニュースでは多くの人々(神の民)が癒されていることは出されていません。ニュースは、どれだけの人が死んだかを流していますから。

ですから話の内容を変えるために、私のミッションは希望を届けること。そしてこう伝えることでした。

「たとい今病にふしていたとしても、神はあなたのために闘われる。あなたを導かれるのだよ」と。

そのような働きのためにこの曲を用いていましたが、最終的にはビルボードのトップチャートに入り、アメリカでNo.1となりました。それは皆さんがこの歌を心に取り込み、こう言うことができた結果だと思うのです。

「神は本当に癒されたいと思われているでしょ。だから私はただその約束を胸に抱きしめるのよ」と。

 

 

NOBU:そのような背景があったのですか。コロナの状況、日本でも同じようなこととして感じました。ところで、この曲の作曲家はどなたでしたか?

 

Earnest:Kevin Davidsonという親友です。彼は私よりも数年前にリリースしており、病気だった私の祖母が部屋でこの曲を良く聞いていたことを思い出します。毎日聞いていました。みんなは祖母のことを、「予想よりも長くはもたないだろう」と言っていたのですが、私は信じていました。なぜなら彼女はこの曲の歌詞を何度も何度も聞いていたからです。そして彼女は実際に3-4年、予想よりも長く生きたのです。ですから私はこの曲の力を目の当たりにしました。パンデミックが起こり、これは語り継ぐ話になるべきだと思いました。人々が、「これが希望だ。この曲に思いを寄せ続けるのだ」と、理解する助けになるはずだと。実際に失望し、圧迫し、絶望した人々に、この曲を通じて癒やされるのだという希望を届けられたと思います。

 

 

アーネスト自身の体験

NOBU:歌詞の中で登場する”Lord, I need You(主よ あなたが必要です)”と語る体験をしたことはありますか?

 

Earnest:はい。最近ありました。それは、私がコロナにかかったときです。本当にひどい症状で酸素レベルが2まで下がり、呼吸器をつけられ、息をすることができず、肺炎症状それも両肺に起こりました。そのとき、ただただ本当にこう呟くだけでした。

「神よ、あなたが必要です。私が必要なのは、神がそうされるのだとあなたの力を証することです。もちろん心も思いも尽くしてあなたを愛しています。でもあなたにしていただきたいのです。それは人々に『ゴスペル(福音)は現実のものなのだ』と証するためです」と。

本当に(私のこの病を通じて)人々が神のことを知るために、神のミラクルが起こることを願いました。神の力も真実、神の癒しも真実。だから”I really need you”と歌うのです。もちろんいつそれが起こるのかはわかりません。でも神は真実なお方。なさると言われたことはなさり、引き起こされると語られたことはそうなるのです。

 

NOBU:神は体の癒しだけでなく、私たちの魂や心をも癒やされるということですよね。

 

Earnest:その通りです。心も思いも感情も意志も、あなたという存在のあらゆる繊維にも。神は創造主。私たちの全てを造られた方。誰も私たちを修復することはできない、神がなさるようには。

 

NOBU:ありがとうございました。

 

 

アーネストは現在、アメリカ・ヒューストンにあるThe Church Without Walls という教会に属し、神からのCallingに応える働きをより一層推進されています。ぜひこちらから彼の曲を聞いてみてください。

 

★アーネスト・ピューの音楽を聴く

👉Spotify

https://open.spotify.com/artist/3qJMkUIxNLC90m6BdgLEFt

👉Apple

https://music.apple.com/us/artist/earnest-pugh/261736542

👉YouTube

https://www.youtube.com/channel/UCxbsMPWeDdbyu8y1GmEdYUg

 

インタビュー日:2022年7月6日(日本時間)

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Post Author: ARTOS事務局

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